執筆者:松村 厚
アップストリーム合同会社 代表社員
医療機器の販路開拓が難しい理由
遠隔医療や医療DXなど、新しい医療技術を医療現場へ普及させる場合も、優れた製品やサービスを開発するだけでは十分ではありません。
どの医療機関に、どのような課題解決として提案し、誰と連携して導入するのかという販路と導入体制の設計が重要になります。
優れた医療機器や医療関連製品を開発しても、医療機関へ届ける仕組みがなければ事業は広がりません。
医療機関には、医師だけでなく、経営者、事務部門、医療従事者、販売会社など複数の関係者が存在します。
製品によっては、使用する人と購入を決める人が異なることもあります。
そのため「とにかく医療機関へ営業する」という方法では効率が上がらないことがあります。
まずターゲットを明確にする
販路開拓の最初のポイントは、誰に販売するかを具体化することです。
例えば同じ医療機関でも、
- 病院なのか
- 診療所なのか
- 歯科医院なのか
- 特定の診療科なのか
- 医療法人なのか
によって営業方法は変わります。
さらに、施設規模、地域、患者層なども含めてターゲットを絞ることで、営業活動の精度が高まります。
遠隔医療に関わる製品やサービスの場合は、大学病院や基幹病院、地域の医療機関など、どの医療機関を起点に展開するのかを明確にすることも重要です。
製品説明ではなく「医療現場の課題」を起点にする
営業では、機能や性能を説明することも必要です。
しかし医療機関が知りたいのは、その製品を導入することで何が変わるのかということです。
- 診療上のメリット
- 業務効率
- 患者への価値
- スタッフへの効果
- 経営面への影響
こうした医療現場側の視点から提案を組み立てることが重要です。
販路は直販だけではない
医療機器の販路開拓には複数の方法があります。
- 自社による直接営業
- 医療機器販売会社
- 専門ディーラー
- 地域の販売パートナー
- 関連企業・販売パートナーとの連携
特に遠隔医療では、医療機関だけでなく、医療機器販売会社、専門ディーラー、通信・映像技術を持つ企業など、複数の関係者が関与するケースがあります。
そのため、単に販売先を探すだけでなく、導入に必要な企業や医療機関をつなぎ、連携体制そのものを構築することが重要です。
自社の営業体制や製品特性に合わせて、適切な販売チャネルを組み合わせることが重要です。
遠隔医療では販路開拓と導入体制を一体で考える
遠隔医療に関わる製品やサービスでは、製品や技術を紹介するだけでは導入につながらない場合があります。
例えば、専門医の知見を地域の医療機関へ届ける場合には、専門医療機関、地域医療機関、通信・映像技術を持つ企業など、それぞれの役割を整理する必要があります。
また、誰が機器やシステムを導入し、誰が運用し、どのように医療現場で利用するのかまで設計することが重要です。
そのため、遠隔医療の事業化では「販売先を見つける」という販路開拓だけでなく、医療機関や専門企業との連携、導入支援、運用体制の構築まで一体で考える必要があります。
導入後まで考える
最初の1施設へ導入することと、事業として広げることは別の課題です。
導入事例をどのように横展開するか。
営業資料をどう改善するか。
販売パートナーが説明しやすい仕組みをどう作るか。
導入後のフィードバックを製品や営業方法へどう反映するか。
ここまで設計することで、販路開拓を一過性の営業活動から継続的な事業へ変えていくことができます。
遠隔医療のような新しい医療サービスでは、最初の導入事例を検証し、その成果や課題を次の医療機関への展開に生かすことが特に重要です。
医療機器・遠隔医療の販路開拓をご支援します
アップストリームでは、医療・ヘルスケア関連企業に対し、事業開発、医療機関への導入支援、営業・販路開拓、販売パートナーとの連携、医療機関や専門企業とのアライアンス構築などを支援しています。
遠隔医療をはじめとする新しい医療技術についても、製品やサービスを医療現場へ届けるための事業設計から導入・展開まで支援します。
- 製品はあるが販路がない
- 医療機関への営業方法が分からない
- 遠隔医療サービスをどの医療機関へ展開すればよいか分からない
- 導入に必要な医療機関や企業との連携体制を構築したい
という段階からご相談いただけます。

