執筆者:松村 厚
アップストリーム合同会社 代表社員
訪問歯科を始めたいが、何から手をつければよいか分からない
訪問歯科に関心を持っていても、
- 何から準備すればよいのか
- 患者との接点をどう作ればよいのか
- 外来診療とどう両立すればよいのか
が分からず、具体的な立ち上げに進めていない歯科医院は少なくありません。
訪問歯科の立ち上げでは、診療体制だけでなく、事業として全体を設計することが重要です。
ステップ1 地域を把握する
まず、自院周辺の地域特性を確認します。
高齢者人口、介護施設、在宅療養者、競合する訪問歯科などを整理し、どの地域を対象にするのかを考えます。
ステップ2 事業計画を作る
訪問歯科では、診療人数だけでなく移動時間やスタッフ配置なども運営に影響します。
必要な人員、車両、機材、営業活動などを整理し、事業としてどのように運営するのかを計画します。
立ち上げ時には、想定する訪問件数、診療エリア、1日の訪問可能件数、必要な人員、車両・機材などを整理し、固定費と変動費を把握しておくことも重要です。外来診療への影響も含め、無理なく継続できる収支計画を作ります。
ステップ3 診療体制を決める
歯科医師だけでなく、歯科衛生士、受付・事務スタッフなど、それぞれがどこまで担当するのかを事前に決めておくと、立ち上げ後の混乱を防ぎやすくなります。
- 誰が訪問するのか
- 外来診療とどう両立するのか
- 予約や連絡を誰が担当するのか
役割を明確にします。
ステップ4 院内オペレーションを作る
訪問前の患者情報確認、機材・物品の準備、移動、診療、診療後の記録、次回予約、請求までを一連の業務として整理します。
院長しか分からない状態ではなく、スタッフが動ける仕組みを作ることが重要です。
ステップ5 地域との接点を作る
訪問歯科では、医療機関の中で待っているだけでは十分な認知を得られない場合があります。
地域の病院・診療所、介護施設、居宅介護支援事業所、ケアマネジャーなど、訪問歯科を必要とする患者につながる関係者へ、自院の訪問体制や対応可能な診療内容を知ってもらうことが重要です。
一度案内して終わりではなく、相談への対応や情報提供を重ねながら、地域の医療・介護関係者との信頼関係を作っていきます。
ステップ6 継続的に改善する
立ち上げ後は、
- どこから相談が入っているか
- 訪問ルートに無理がないか
- スタッフの負担はどうか
- 訪問件数や収支が計画と大きくずれていないか
などを確認しながら改善します。
訪問歯科の立ち上げ前に確認したいこと
- 訪問する地域を決めているか
- 想定する患者像を整理しているか
- 訪問を担当する歯科医師・歯科衛生士を決めているか
- 車両や診療機材を準備できるか
- 予約・連絡・請求などの院内担当を決めているか
- 地域の医療・介護関係者との接点を作る方法を決めているか
- 立ち上げ後の収支やKPIを確認する仕組みがあるか
訪問歯科を「医院の事業」として立ち上げる
訪問歯科の立ち上げで重要なのは、院長一人が頑張る仕組みを作ることではありません。
スタッフが役割を理解し、地域との連携が生まれ、継続的に運営できる状態を作ることです。
アップストリームでは、これから訪問歯科を始めたい歯科医院に対し、地域・市場の把握、事業計画、診療体制、院内オペレーション、地域連携、立ち上げ後の事業推進まで一貫して支援しています。

